以前執筆した「幕張」の記事のアクセスが地味に伸びていてビックリしました。
皆様本当にありがとうございます。まあ、広告外されてしまったんですけど。
そこで今回は、懲りずにまた木多康昭先生の他の作品を紹介させていただこうかと思います。
1997年、ジャンプで連載されていた幕張をやってられるかという理由で終了、集英社を後にした木多先生は少年マガジンを擁する講談社へと電撃移籍を行います。
そこで連載された「泣くようぐいす」という作品は短命に終わりましたが、後の喧嘩商売にも通ずるシリアスな作風の片鱗を覗かせる内容でした。
その二年後、木多先生は満を持して「代表人」という超問題作を発表します。
徹頭徹尾パロ、下ネタ、楽屋ネタに振り切った今作は某男性アイドルグループ(によく似た人物)を作中で取り上げた関係か、裁判沙汰に発展してたとかしないとか。
今回は、そんな今では絶版となった伝説の漫画、「代表人」を皆様にご紹介したいと思います。
どうか最後までお付き合いください。
主人公は国民的アイドルグループの元メンバー

主人公である米良勝男は国民的男性アイドルグループ、「IGARASHI」のメンバー。
米良はかねてよりの夢であった宇宙飛行士になる為、グループを脱退しています。
ちなみにその国民的男性アイドルグループ「IGARASHI」というのがこちら。

……に、似ている。
何故この作品が編集のチェックを通過できたか甚だ疑問ですが、一応似ているだけで別人だという体裁のようです。
ちなみに主人公の名前である「米良」(めら)、ですが、50音順に一文字ずらすと「もり」、と読むことができ、偶然の一致にしては作為的なものを感じてしまいます。
また、メンバーの殆どはモデルと異なり利己的で自己中心的な人格破綻者として描かれているのも特徴です(メンバー内で唯一の人格者であった人物を共謀して殺害するシーンも)。
触れてはいけない芸能界の闇
某アイドルグループとIGARASHIの関連性は不明ですが、木多先生は今では伏せられた某メンバーの不祥事を平然とネタにしていました。

全盛期の有吉弘行でさえ触れられなかった(SMAP×SMAP出演時メンバーへの仇名付けを披露していた)芸能界の闇にあっさりと切り込むあたりはさすが木多先生というほかないでしょう。
余談ですが、別のメンバーが全裸野外露出を行った不祥事がありましたが時系列的にはこの作品の後の出来事のようです。

序盤から大幅に路線変更
さすがにマズいとなったのか、米良とIGARASHIを中心とした話は大幅に路線変更。
彼らの露出は極力抑えられ、宇宙船をジャックした米良と人質となったIGARASHIのメンバーを救う為佐倉惣五郎というキャラが仲間を集めるというストーリーへとシフトチェンジします。

元ネタは飢狼伝の泣き虫サクラことクライベイビー・サクラかと思います。
仲間というのも顎が無限に伸縮する佐倉の息子魚権(ウォーケン)、マガジン編集者の米村、山寺宏一に酷似したサトラレ、馬と人間のハーフの馬男など散々なラインナップ。
この投げやりさはおそらく早い段階での打ち切りが決定されていた為とも言えます。
必殺パンチ 大人の事情
芸能人イジリや編集者イジリだけでは飽き足らない木多先生の牙の矛先は、マガジンの人気漫画の作者藤沢とおる先生にも向けられます。


必殺パンチと言いながら、その実同僚の漫画家をイジり倒すテクニックはさすが木多先生のお家芸ともいえるでしょう。
ちなみにこの休載いじりは少年ジャンプの冨樫先生へも飛び火。
![喧嘩稼業」を連載中の木多康昭先生の過去作品の問題シーン! | RENOTE [リノート]](https://shykt9041.com/wp-content/uploads/2021/09/image-3.jpeg)
まさに一太刀で3人斬ると言われる飛天御剣流を思わせる荒業でした(単行本では修正されています)。
打ち切り そして伝説へ
そんなこんなで散々迷走を続けた今作は、12話という短い期間を経て打ち切り。
最終話はそれまでのストーリーと関係のない作者の民事裁判での主張で幕を閉じます。

肖像権にうるさい某事務所の事なので、何か見えない大きな力が働いたことは容易に想像がつくでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
終始やりたい放題、行き当たりばったりの展開、過激なネタなど、木多先生のエッセンスをこれでもかと放り込んだカオスな内容の漫画でした。
この内容が当時数百万部の発行部数を誇っていた少年マガジンに平然と掲載されていたことに、時代の流れを感じてなりません。
この後木多先生はヤングマガジンにて「喧嘩商売」、「喧嘩稼業」を連載。
初期こそそうした木多先生お得意の危険ネタが多く盛り込まれてましたが、現在では徐々にシリアスな作風にシフト。
何度も言いますが、本当に面白い格闘アクション漫画となっています。
ご興味のある方は是非とも単行本を手に取ってご覧になってみてください。
それでは、今回の記事はここまでとなります。
最後までお読みいただき有難うございました。
またお会いできる日まで。
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