皆様はGTA(グランド・セフト・オート)というタイトルを御存じだろうか。
『グランド・セフト・オート』(Grand Theft Auto)は、アメリカのニューヨークにあるゲーム制作会社、ロックスター・ゲームスが発売したコンピューターゲームのシリーズ。街中で突然に人を殺害したり、車両を盗んで走り回るなどの犯罪を中心にした内容が特徴で、架空又は実在する部隊・人物などが登場する事が大きな特徴。またPCからPSシリーズ、XBOXシリーズなど、幅広く発売している。メインはストーリーモード(オフライン)であるが、最近ではオンライン(マルチモード)にも力を入れている。2015年8月時点で、全世界でシリーズ累計2億2,000万本以上の売り上げを記録[1]している世界的大ヒット作品であり、全11作品が発売している。
押しも押されぬこの世のナンバーワンビッグタイトルといっても過言ではない、その自由度はさることながら、オープンワールドという概念をこの世にもたらした偉大なゲームである。
世界中で愛され、累計販売本数は2億を超えるとも言われている。
最新作である「5」は今なお活発にオンラインゲーマーでひしめき合い、その人気に陰りを見ることはない。
そんな自分もご多分に漏れず、膨大な時間を費やしたゲームなので、未プレイの方は是非とも手に取ってみて欲しい。
さて、GTAをここまでの世界的作品たらしめたのは、2001年に発売された「3」であることに、疑念の余地はないだろう。
オープンワールドという概念は、この「3」によって広められたといっても過言ではない。
しかしながら、3以前の作品に関して、あまり話題に上ることは少ない。
何を隠そう、私が一番初めにプレイしたGTAのタイトルが、デビュー作にあたる「1(初代)」であった。
-あれは遠い昔、友達が定期購読していたゲーム雑誌を読んでいたころだった。
様々なゲームの記事に紛れ、一つの興味深い見出しで手が止まった。
主人公はギャングとなり、車を奪い、警官を銃で撃ち殺し、戦車で街をブッ壊す!
話題のゲーム、「GTA」絶賛発売中!
うろ覚えだがこんな内容だった。
当時、社会に対する鬱屈とした感情と、やり場のない反抗心を持て余していた私にとって、それはなんともCOOLでGoddamnでSon of a Bitchなゲームに映った。

やたらとチープな2D画面に一抹の不安を覚えつつも、なけなしの貯金を握りしめてゲームショップへと向かった思い出がある。
意気揚々と帰宅し、このゲームこそが自分が追い求めていた作品だと謎の確信を抱きながら、ディスクを挿入する。
はっきりと言えるのは、30分くらいして飽きたという事実であった。というよりクソゲーと断定できた。
プレイ開始時点こそ、箱庭的な街で市民を暴行し、警官を射殺して回る世紀末的なプレイに友達と盛り上がった記憶があるが、いかんせんやれることが少ない為すぐにダレてくる。
一通り広大な街を巡ったあたりで、このゲームに対する情熱が急速に冷め始めたのと、新品定価で購入した後悔に苛まれた。
一応ストーリーモード的なものはあるものの、異様な難易度と操作性の悪さからほとんど進めることが出来ない。
なんて買い物をしてしまったんだと一時は気を落としたものだが、なんとなく繰り返しプレイするごとに、徐々にこのゲームの得も言えぬ魅力に気が付き始めてきた(開き直ったとも言える)。
まず、音楽がかっこいい。車両に乗り込むことでカーステレオから音楽が流れてくるシステムは今作から導入されており、ゴキゲンなアメリカンミュージック(?)を聞かせてくれる。
選曲はラップ調の物からハードロック、果てはゴスペルまで幅広く、おそらく有名アーティストが歌っていたようではないが、何曲かお気に入りのナンバーがあった。
芸が細かいのが、ゲームのディスクをステレオやラジカセに入れると、これらの曲をCDアルバムのように視聴できる仕様になっている。
購入後数年してから気が付いたが、目から鱗が落ちた思いであった。
難易度の高いミッションも、繰り返し挑戦することで少しずつ手順やマップを覚え、攻略することができた。
ゲーム全体の難易度が低下していく傾向にあった業界において、実に歯ごたえのある達成感だと感じられた(ファミコン時代に回帰していたという説もある)。
ストーリーにおいても、突飛な翻訳とあいまって味気ないながらも引き込まれるものがあった。
時にはカーステレオの曲に乗せて広大なマップをあてもなく探索し、気まぐれで市民を轢いたりストーリーを進めたりと、実にプレイヤー任せな自由なゲームであった。
名作かどうかと言われれば、ぶっちゃけクソゲーと断定することができる。
とてもじゃないが現代のゲーマーに進めることはできない。
しかしながら、この絶妙な自由度と、世界観が肌にあったのか、ゲームハードとしてのPSが終息を迎えるまで、長らく僕のゲームラックの最前列に鎮座し続けていた。
何となくやりたいゲームが無いとき、ふと手に取って始めることが多かった記憶がある。
あれから時は流れ、GTAのグラフィックは途方もない進化を遂げ、世界中の人間が同時にプレイする人気作となった。
当時、初代GTAをプレイしていてふと思ったことがある。
このゲーム、バイオみたいに3D化してマルチプレイとかできたら神ゲーじゃね?
割と早い段階でその夢想は現実となり、あれよあれよと新作が発売され、今や全世界ナンバーワンのビッグタイトルである。
しかしながら、覚えておいて欲しい。
初代GTAはとんでもなくチープでマイナーなバカゲーであったことを。
そして、発祥のアメリカから海を越えた日本の田舎の片隅で、目を輝かせてそれをプレイしていた少年がいたことを(いや、輝かせてはなかったか)。
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今回の記事はここまでとなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いできる日まで。
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