ブラックメタルを題材とした映画、「ロード・オブ・カオス」が公開されています。
ブラックメタルとは、ヘヴィメタルのサブジャンルの一つ。「デスメタルを否定し、そのルーツであるスラッシュメタルへの回帰という形で」生まれたとされる。速いテンポのドラムに、金切り声のようなボーカル、音を強めに歪ませたギターでのトレモロのピッキング、宗教的で荘厳なアレンジなどを特徴とする。
Wikipediaより
ブラックメタルと聞いて思い起こされるのは、その音楽的な要素以上に90年代にシーンで起こった集団による犯罪行為である方も多いのではないのでしょうか。
当時のブラックメタルシーンを取り巻く若者を中心にインナー・サークルという集団が形成され、悪魔崇拝の思想の元で放火、殺人など数多くの犯罪行為が行われ、センセーションに報道がなされました。
ブラックメタル・インナーサークル (Black Metal Inner Circle) または ブラック・サークル( Black Circle)とは、90年代初期のノルウェーのブラック・メタルバンドとその関係者らを指して使われた言葉である[1]。「誰が一番邪悪か」を競うかのように、教会の放火から殺人に至るまで様々な事件を起こしてヨーロッパ中を震撼させ、後のブラック・メタル・シーンにも多大な影響を与えている。
Wikipediaより
集団心理や同調圧力により犯罪行為が過激化した側面もあったかと思いますが、この時、同時期に海を隔てたここ日本においても同様の現象が見られました。
そう、六本木フラワー事件などで世間を震撼させた関東連合です。
関東連合(かんとうれんごう)は、20世紀から21世紀(2003年)まで存在した東京都内の暴走族の連合体、ならびに、その直系の後裔にあたる半グレ集団。わけても近年メディアを騒がせている「関東連合」は1990年代以後の世代、特にS53年以降の世代の「関東連合」にあたる。
Yourpediaより
若者による集団での犯罪行為という点で似た部分を感じることはありましたが、よくよく考察してみると思った以上に多くの共通点を見つけたので、今回はこの場を借りて皆様に発表できれば思います。
それでは、どうか最後までお付き合いください。
どちらも主な活動時期は90年代
ブラックメタル・インナーサークル、関東連合共に主な活動時期は90年代であることが語られています(関東連合に関しては90年代以前から存在していましたが、90年代以降の活動が特に有名です)。
日本でも少年による刺殺事件など、いわゆる「キレる若者」が問題視された時期でもあります。
当時の若者が感じていたであろう閉塞感や鬱屈したエネルギーが集団での犯罪行為に向けられたという点で、リンクしていたと考えることもできるかもしれません。
共通したファッション
ブラックメタルに関しては、他のメタルのサブジャンル以上に共通したファッション、様式が重んじられたように思えます。

細かな差異はあるものの、黒を基調としたファッション、長髪、コープスペイントと呼ばれる白塗りメイクなどが挙げられるでしょう。
関東連合においても、ご存じの通り特攻服といった共通のユニフォームが着用されています。
また、髪型も短く刈り揃えたパンチパーマや坊主頭など、相手に威圧感を抱かせる格好が是とされていたようです。

方向性や目的は違えど、相手に恐怖感を与える意図や黒というカラーなどにその共通性が見て取れるかと思います。
歪な仲間意識
関東連合という組織を語るうえで、避けて通ることのできないのが強固で歪な仲間意識であると考えます。
成人を超えても先輩後輩、仲間同士での繋がりを重んじ、誕生パーティなども定期的に行われる一方で、留置所に入って初めて安眠できた(石本太一氏談)と言われるほどの、強いしがらみがあったようです。
その歪な関係性は後に仲間内での内ゲバにより集団そのものを瓦解させる結末となりました。
ブラックメタルシーンにおいても、溜まり場で毎日音楽や酒を嗜むなど、若者らしい交流があった一方で仲間内での犯罪を競い合うなど、一般的な価値観とはことなる交流が形成されています。
やがてそれは、メンバー同士のささいなトラブルによる殺人事件といった結末で終わりを迎えることになります。
地元愛、愛国心
関東連合に限らずですが、暴走族は一般的に愛国主義、国粋主義的な思想を標榜している傾向にあります(特攻服への刺繍や、構成チームである宮前愚連隊の「甦れ大和魂」というキャッチコピーなど)。
また、出身区や中学、高校などの繋がりが重要視されているのも特徴といえるでしょう。
一方でブラックメタルシーンにおいてもBurzumのヴァルグ・ヴィーケネス氏などが、国粋主義的な思想を表明し物議を醸しました。
また関東連合の中心的チームであるブラックエンペラーは逆十字をシンボルマークとして取り入れていました。
遠く離れた日本と北欧で、こうした事実がリンクするのはとても興味深いものがあります。
また、ヴァルグ・ヴィーケネス氏においては以下の発言もありました。
俺は、血や土、名誉を信奉している。要するに、家族、地元とハミンギャや、強さ、伝統、勇気だ。そして俺は、ヨーロッパの目覚めを信じている
Wikipediaより
この発言から全てを窺い知るのは難しいですが、少なくとも一定以上の地元愛がノルウェーのブラックメタルシーンにおいても存在していたと解釈することができます。
どちらもカルトな人気を博している
ブラックメタルにおいてはその音楽性は元より、こうしたゴシップ的な側面が先行して話題になった事実があります。
2021年においても映画化されるなど、いまだに伝説として多くの人々の間で語られ続けているのは想像に難くありません。
関東連合においても、2010年に起こった海老蔵事件以降その存在が取り沙汰され、ネットやアウトロー雑誌を中心に人物相関や関係性などについて議論や考察が行われるなど、根強い人気があります。
最近でも元OBのメンバーがYoutuberとしてデビューしており、当分は話題性に事欠かないでしょう。
どちらにも”エンペラー”がいる
すいません、結局これが言いたいだけでした。
ブラックメタルシーン、またインナーサークルを代表する構成員として真っ先に挙がるのがEmperorというバンドです。
エンペラー (Emperor) は、ノルウェー出身のブラックメタル・バンド。 ブラックメタル系ミュージシャンの犯罪が問題だった1990年代の同国において、3人のメンバーが逮捕された経緯を持つ(→ブラックメタル・インナーサークル)。
Wikipediaより
また、関東連合を代表する構成チームの一つがご存じ、ブラックエンペラーです。
散々引っ張ってオチがこれかと非難を受けそうですが、文化も生活様式も異なる北欧と日本で、こうした共通点が見られるのは偶然を超えた何かがあるように感じました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
色々と無理がある部分もあったかと思いますが、意外な共通点が存在していることを分かっていただけたかと思います。
過去に引き起こされた犯罪行為は決して許されるものではありませんが、当時の若者文化やカルチャーを考察する上で避けては通れない面もあるかと思い、今回の記事を執筆するに至りました。
ご興味のある方は是非とも最近公開された映画、「ロード・オブ・カオス」や関東連合関連の書籍を観賞していただければとおもいます。
それでは、今回の記事はここまでとなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よろしければ感想やコメントなどお待ちしてます。
またお会いできる日まで。
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