その昔、プレイステーションからガンパレード・マーチというゲームが発売されていました。
『高機動幻想ガンパレード・マーチ』(こうきどうげんそうガンパレード・マーチ)は、2000年9月28日にPlayStation向けにソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたコンピュータゲームである。
Wikipediaより
謎の生命体「幻獣」との絶望的な戦いに動員された学徒兵の一員となり、学生と兵士としての二重生活を営みながら生き残ることが目的だが、生き残りさえすれば何をしてもよいという自由度の高さと、プレイヤー同様に活動し、各々の人物関係を構築していくNPCキャラクターたちの存在が特徴。

プレイヤーは少年兵となって軍隊学校での生活を送りながら謎の勢力、幻獣と呼ばれる存在と巨大ロボットに乗って戦う、というのが大まかなストーリー。
まあ、ぶっちゃけエヴァなんですが、当時は世相を反映してか、そうした世界観のゲームが多かったように記憶しています。
このゲーム、知る人ぞ知る隠れた名作としての評価が高く、当時はなかなか手に入れるのが困難でした。
人気の秘密はとにかくその自由度の高さにあったと思います。
プレイヤーは幻獣の襲来時以外は基本的に学校生活を送っているのですが、その間は基本的に何をしていても自由。
授業に出るもよし、サボるもよし、他のキャラクターと交流してもよし、しなくてもよし、といった具合にプレイヤーの裁量で思い思いの学校生活を過ごすことができます。
また、キャラクターは基本的にAIに基づいて行動しており、プレイヤーである主人公に対する感情や他キャラクターとの関係性、果てはその場の雰囲気に至るまで実に細かいパラメーターが設定されています。

これが本当に良くできていて、画一的な返答を繰り返すのが常識だったNPCに生命を吹き込んだと言って過言でも無いほど生き生きと交流することができました。
特定のキャラクターと仲良くしたり、険悪になったり殴り合ったりと、まるで本当に自分が学校に通っているかのようなリアリティーを感じることができます。

また、男女問わず気に入ったキャラと恋仲に発展させることもできるので、そこは様々な需要に対応していると言えるでしょう。
複数人と交際することで修羅場に発展するジゴロプレイなんかも体験することが出来ます。
さて、主人公は基本的には巨大ロボットのパイロットですが、役職も多岐に渡り整備班、指揮官、通信班、随伴歩兵など好きな役職に就くことが出来ます。
それぞれに役割が存在し、様々な形で部隊への貢献につながるので是非とも色々な役職を経験してみる事をおすすめします。

また最悪、無職でもエンディングを迎えられますが、その場合戦闘のたびに仲間が戦場に散っていく中、クラスメイト達からの無言の非難に耐える強い精神力が必要となるでしょう。
先述したように、どのような選択を行っても主人公が生き残っていれば基本的にはエンディングを迎えられるシステムですが、刻一刻と変わる戦況により、時には仲間と死別したり、陰謀で左遷されたり、力及ばず敗戦が続いたりと、一期一会のリアルなストーリが展開され、ファンをして記憶を消して最初からプレイしたいと言わしめるほどの完成度でした。
私の初プレイ時はロボットの操縦士としてそこそこ真面目に授業や訓練を受け、他のキャラとも交流していましたが、いかんせん幻獣とのバトルパートであるシミュレーション部分が難しく、敗戦が続くことに。
パイロットとしての自信を失った私は、思い切って整備兵への配置換えを希望。第一線から退きます。
クラスメイト達からの冷たい視線に耐えながら(被害妄想)、整備兵としての仕事に注力しますが、次第に情熱を失い、無職に。
部隊のお荷物として居心地の悪さを感じつつも終戦を迎えることに。
なんかリアルな自堕落さがダイレクトに反映されたようで若干落ち込んだ記憶がありますが、心を入れ替えて2週目に。
ある程度ゲームに慣れてきたので、今回のプレイでは孤高の天才を気取って基本的にクラスメイトとの交流は行わず。
授業にも出ずに日夜走り込みや筋トレなどの自己の鍛錬に精を出します(巨大ロボットものなのに)。
また、群れて行動しているクラスメイト達を下に見ていた私は事あるごとに喧嘩を吹っ掛けます。
そのせいでクラス内での心象は最悪。
話しかける度に罵倒されるなど、とてもチームワークなど期待できる状況ではありませんでした。
何か痛いNSCの若手みたいなプレイを行っていましたが、これも私の内面に秘められていた人間性の一つだったのかもしれません。
ゲーム自体は途中で詰んだので普通にやめました。
と、このように実にプレイの幅が広く、自由な体験ができることがお分かりいただけたかと思います。
一応特定の条件を満たした時に到達できるトゥルー・エンド的なエンディングがあるのですが、その際の展開が非常に熱く、是非とも目指していただきたい名シーンとなっています。
個人的には、現在ジュブナイル物で人気を博しているペルソナシリーズよりも魅力的で、先進的なゲームだったと思います。
さて、その後ガンパレード・マーチは根強いファンに支えられアニメ化、小説家などのメディアミックスも成功、冷めやらぬ人気の中、ついにプレイステーション2にて待望の新作が発表されました。
次世代機によりパワーアップしたグラフィック、システムなどは元より、全三部作という驚きの構成にファンの期待は最高潮に。
どう考えても失敗する要素の見当たらない完ぺきな布陣で発売された新作「ガンパレード・オーケストラ」はそのあまりのクソゲーぶりに世紀の大コケ。
どうしてこの条件でスベるのかと言うほどの豪快な外しっぷりはそのまま作品そのものの息の根を止める結果となり、ガンパレード・シリーズはひっそりと歴史の闇に葬られることになります。
合掌…。
しかしながら、絶望的な戦況の中で突貫していく戦友の姿、仲間たちと過ごすひと時の日常、辛く苦しい訓練の日々…。

初代ガンパレード・マーチで体験したこれらの記憶は時代を超えてなお、ファンたちの心に刻まれ続けています(初代ね)。
古いゲームなのでややプレイのハードルは高いですが、ご興味を持たれた方は是非ともプレイしてみてください。
そこには他のどのゲームでも体験できない、あなただけの青春が待っている事でしょう。
今回の記事はここまでとなります。
よろしければ、皆様の思い出のゲームなどコメント欄にて教えて頂ければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またお会いできる日まで。
何か知らない間に鬼のようにプレミア化していました。
コメント
いつも楽しく拝読しています。
個人的な思い出深いPSのゲームは記事にされいらっしゃったレーシングラグーンと、
プラネットライカです。かなりクレイジーな世界観なので環境が揃いそうならば是非!
PANA様
コメントいただきありがとうございます!
レーシングラグーンは…俺たちの…Memory…
プラネットライカは初耳でした。調べてみたらクーロンズゲートの流れの作品のようですね!
こちらも怪作度高そうなのでチェックさせていただきますw
お読みいただきありがとうございます。
これからもよろしければお付き合いいただけると幸いです。