皆様は”クサメタル”というジャンルをご存じでしょうか?
ジャンルとして明確な定義がある訳ではありませんが、メタル、取り分けスピードメタル、パワーメタルなどにおけるやたらと勇壮でヒロイックなメロディを”クサイ”と表し、一部の愛好家の中で絶大な支持を得ています。
男性の口説き文句などの、行き過ぎた格好良さをクサいと表現する感覚に似ていますが、こちらの動画をご覧いただければ何となクサさの感覚をつかんでいただけるかと思います。
アナ雪のテーマをクサメタルにアレンジした素晴らしい作品です。
今回は独自に選んだいくつかの楽曲を紹介し、クサメタルの世界を皆様に知っていただければと思います。
是非とも鼻を抑え、メロディから漂ってくる行き過ぎた格好良さ=クサさに備えて頂ければと思います。
なお、全然90年代でも00年代とも関係ねーじゃねーか!という意見もごもっともですが、スカイラーク全部などのミームに代表されるように、クサメタルがネット界隈を中心に盛り上がりを見せたのが大体00年代初期頃だったかと思うので取り上げさせて頂きました(苦しい)。
それでは、どうか最後までお付き合いください。
Rhapsody/Warrior of Ice
まずはクサメタル、ヒロイックメタルの代表格から紹介したいと思います。
イタリアが誇る究極のエピック・シンフォニック・クサメタルバンド、Rhapsodyです(現在はRhapsody of fireへと改名)。
まるでRPGのような世界観をメタルと融合させ、唯一無二の存在へと昇華たらしめています。
代表曲としてはEmerald Sword(エメラルド・ソード)という楽曲が挙がることが多いですが、個人的な好みとしてこちらの曲を紹介したく思います。
こちらの楽曲を聞いていただければより”クサさ”の感覚を掴んでいただけるかと思います。
サビのコーラス部分などは、まるで蛮族に取り囲まれた王城を守るべく、死地に赴く騎士たちを鼓舞するかのような勇壮さです(意味不明)。
楽曲、演奏技術共にクオリティが高く、何よりもそのキャッチーかつクサ過ぎるメロディが秀逸でした。
Equilibrium/Widars Hallen
お次は2005年、ドイツより彗星のごとく現れたヴァイキング・エピックメタル・バンドEquilibriumを紹介します。
ヴォーカルにデスボイスを使用しているので好みが分かれるところもありますが、再生した瞬間怒涛の如く押し寄せてくる民族的クサ・フレーズの応酬。
これでは千鳥のノブでなくとも、イントロの時点で「クセェ!」と発してしまうのではないでしょうか。
そのままの勢いで叙情的な歌メロがこれでもかと繰り出される様は、当時のクサメタル界をして”激臭警報”が発令されたほどだとか。
まさにクサメタル界隈における緊急事態宣言と呼んでも差し支えない程の鮮烈なデビューを飾ったといえるでしょう(意味不明)。
Ancient Bards/The Birth Of Evil
この手の話題で良く名前の挙がる、イタリア産シンフォニック・クサメタルバンド、Ancient Bards。
女性ヴォーカリストを擁する彼らの、珠玉のクサメタル・ナンバーを取り上げさせて頂きました。
イタリアはクサメタルが盛んなのか、良質なクサメタルバンドが多数存在しているようです。
こちらの楽曲も普通に格好良く、思わず拳を突き上げたくなるような素晴らしいメロディーラインです。
基本的にクサメタラーはキャッチーなメロディを創造するのに長けているのだと思います。過剰になり過ぎるだけで。
Windir/Arntor, ein Windir
クサメタルの遺伝子はメロスピ・パワーメタルの枠に留まらず、様々な種類のメタルミュージックに飛び火しています。
その中の一つが、ブラックメタルにおけるバイキング・ブラックというジャンルであり、特にこちらの曲は永遠のアンセムと言っても過言ではないでしょう。
怒涛のようにリフが押し寄せるイントロを耳にした瞬間、千鳥のノブでなくとも思わず「クセェ!」と発してしまいたくなるのではないでしょうか。
冬山を行軍するバイキングたちの哀愁を描いているかのような斜情性を感じます(意味不明)。
演奏、録音を全て一人でこなしているらしく、クオリティとしてはチープさが否めませんが、メロディ、展開ともに実に優れたクサメタルであるといえるでしょう。
本作以降は録音のクオリティもあがり、秀逸な作品を続けてリリースしていましたが、惜しむらくも、登山中の事故によりフロントマンのValfarが死去。
しかしながら、彼の残した作品の数々は今もなお、ファンの胸に残り続けています。
Wintersun/Starchild
お次はフィンランドより。メロディック・デスメタルバンドWintersunの作品から。
今回の記事を書くにあたり真っ先によぎったのが実はこの曲でした。
どことなく民族調のイントロから既に否応なく”クサさ”を期待させるのではないでしょうか。
タイトルの”Star Child”を絶叫するパートにおいては、誰しもが拳を振り上げ、失われた祖国を想い、悔恨の涙を流すでしょう(意味不明)。
クサメタルを語るうえで欠かせない哀愁を持ち合わせた良曲です。
Amorphis/Sampo
アモルフィス(英語: amorphis)は、フィンランド出身のヘヴィメタル・バンド。 当初はメロディックデスメタルを演奏していたが、次第にフィンランドの民族音楽を取り入れ、哀愁溢れる独特のヘヴィメタルを完成させる。
Wikipediaより
少しこれまで紹介したバンドと趣が異なるかもしれませんが、サビの部分まで聞いていただければその余りある良質なクサさを体感して頂けると思います。
メタルにもジャンルの垣根がないように、クサメタルにも同じことが言えるでしょう。
クサメタルを構成するのに欠かせない”哀愁”といった要素が存分にメロディーから感じることが出来ます。
Soilwork/Rejection Role
お次は個人的に結構ハマっていたバンドから。
ジャンルとしてはメロデスに分類されるのでしょうか。
とにかくメロディーがカッコよく、何よりクセェ!(千鳥ノブ)
ちょっとこれまでのファンタジー、中世的、民族風な要素は希薄ですが、そのメロディーセンスにクサメタラーとしての矜持を感じることが出来るのは私だけではないはずです。
Helloween/I Want Out
最後に、クサメタルのルーツを考察してこの記事を締めくくりたいと思います。
クサメタルの起源はいつ起こったのでしょうか。
少なくとも、80年代のHR/HMブームの時点でその萌芽はあったように感じます。
今回取り上げたのはメタル会の重鎮、Helloweenが初期にリリースした楽曲です。
ギターのメロディライン等に、後のクサメタルブームの予兆を感じてもらえると思います。
楽曲とはあまり関係ありませんが、PVもスイカが飛び交ったり、歌詞の“SEE”に合わせてメンバーがサングラスを外してこちらをのぞき込むシーンがあって面白いので必見です(ちょっと文章で説明するのは難しいですが)。

こういったおもしろPVに関しては、以下の記事でも紹介してますのでよろしければぜひご覧ください。
さいごに
以上となります。
正直、記事を書くにあたりクドめのメロディーがを聴き続けたせいで若干の胃もたれを起こしそうになりましたが、クサメタルのなんたるかがいくらかでも皆様に伝われば幸いです。
是非とも通勤通学中のプレイリストに加えて、その勇壮な世界観に酔いしれて拳を天に突き上げて欲しいと思います(いかなる弊害にも一切責任は持てません)。
それでは皆様、またお会いできる日まで。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
感想や、他にもこんなクサい曲あるよ、という方は是非ともコメント欄にてお知らせください。
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それでは。ありがとうございました。
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