皆様はかつて日本にブランキ―ジェットシティというバンドがいたことをご存じでしょうか?
ベンジーこと浅井健一(vo&g)、照井利幸(b)、中村達也(dr)という不動のラインナップによる奇跡のロッケンロール・バンド。90年、東京にて結成。ロカビリーをベースとしたラウド&パンクなサウンドでたちまち人気を博す。91年、アルバム『レッド・ギター・アンド・ザ・トゥルース』にてメジャー・デビュー。
OKmusic様より
圧倒的なパフォーマンスとカリスマ性で90年代に人気を博し、惜しまれつつも解散した伝説的バンド。
解散後もメンバーはそれぞれ活動を続けており、今なお日本のロックシーンに影響を与え続けています。
さて、そんなブランキ―ジェットシティにおいてフロントマンを務めていたのが浅井健一という人物です。
ほぼ全ての楽曲を手掛け、少年のような特徴的な歌声、高度な演奏技術、独特の世界観の歌詞などが評価され唯一無二の存在感を誇っています。
現在においてもソロ、バンドなど様々な形態で精力的な音楽活動を続け、最近では女性アーティストUAとのプロジェクト、Ajicoの再結成が報じられ話題となりました。
また、音楽以外にも詩集、絵画など幅広い分野で活動を行っています。
まさにロック界のレジェンドともいえる浅井健一ですが、その音楽的才能、カリスマ性に反してとてつもない天然&愛されキャラであることはあまり知られてないのではないでしょうか?
今回はロック界のカリスマの意外な側面として、そんな彼の天然、面白エピソードを紹介したいと思います。
どうか最後までお付き合いください。
バンドの強みを聞かれて
これは有名なエピソードですね。
当時、メジャーバンドを発掘する為放映されていたTV番組「イカすバンド天国」。
バンドブームも手伝ってか、どこかコミカルなアーティストが多く集う中、ある種番組の雰囲気にそぐわないシリアスな空気をまとって現れた3人。
圧倒的な実力により瞬く間にチャンピオンの座を手にし、その後の活躍は周知のとおりです。
演奏前のインタビューの際、司会の三宅裕司に「挑戦者のバンドはお色気の要素があったけど、君たち(ブランキ―ジェットシティ)の強みはなんですか?」という質問に一言
「うーん、正義」
と答え、緊張と緩和もあったのか会場は笑いに包まれました。
しかしながら、バンドの強みを聞かれ演奏力や音楽性ではなく、正義と答えるとは。
こうしたちょっとした言葉選びのセンスなどは、さすがとしか言いようがありません。
いつか私も実生活で使ってみたいものです。
歌詞をよく間違えてた
これはある意味で仕方がないのですが、当時ライブに赴いたファンの証言、ライブの映像などから歌詞をよく間違えて即興の英語でごまかしていたようです。
それもそのはず、浅井健一のギターは並みのギタリストであればスコアを見た時点で逃げ出したくなるほどの難易度で、それを歌いながら演奏するという超人的な離れ業をやってのけていました。
いわゆるコードのジャカ弾きとは異なり、歌とは独立した旋律を縦横無尽に弾き倒していたのです。
ジャグリングを行うかのような高度なテクニックと、妥協のない練習の末に到達したものと思いますが、あまりの難易度の為歌詞を失念したことがあったのは想像に難くありません。
ファンからの質問コーナーをほぼ😀でやり過ごす
今となってはソースがないのですが、かつて浅井健一氏のレーベル、「Sexy Stones Record」のオフィシャルページにて、ファンクラブ会員の質問に浅井健一が答えるというコーナーが設けられていました(たしかRock n Roll High Schoolという名前だった記憶があります)。
彼のファンにとってはまさしく垂涎のサービスといっては過言ではなく、日頃の疑問や音楽、ルーツに関することなど様々な質問が飛び交いました。
しかしながら、たまたま私が見たタイミングが悪かったのかも知れませんが、浅井健一氏の回答はほぼ一言か、😀という絵文字のみだった覚えがあります。
ただ、氏のカリスマ性、影響力を鑑みれば大量の質問が寄せられたことは想像に難くないので、質問一つに割ける余裕に限りがあるのは無理もなことかもしれません。
個人的に見つけた法則として、やたらと質問が長文だったり、要領を得ていない者には😀の絵文字を返していた記憶があります。
おそらく面倒くさい質問は適当にいなしてたんだなと素人目には感じられました。
たまにおかしな曲名を付ける
浅井健一といえば「歩く詩人」と後続のミュージシャンから絶賛を受けるほど、作詞やフレーズの世界観に定評があります。
しかしながら、孤高の天才故に時として常人の感性では理解が追い付かないことが稀にあります。
2005年に発売された氏のバンド、「JUDE」としてアルバム、「エレクトリックレインボー」がリリースされましたが、収録曲の一つに強い違和感を覚えた記憶があります。
以下は曲目ですが、いかがでしょうか。何か引っかかる部分はないでしょうか?

リリース当時も気になったのですが、ん?冷麺?
ロックの曲名でなぜ冷麺…?と、疑問を抱いたのを覚えています。
しかしながらそのインパクトもさることながら、既成の表現から脱却しようとする先進性を今なら感じ取れることができます。
ちなみに、スペースシャワーTVにて浅井健一氏がゲストで出演した際、司会者がこのタイトルを盛大にいじり出し、見るからに氏の機嫌を損ない、スタジオが凍り付くという出来事がありました。
あきらかに気分を害している浅井健一氏に対し、果敢に突っ込んでいく司会者。
TV史に残る恐怖映像として、今なお語り継がれている一幕です。
ご興味のある方はこちらのリンクをどうぞ。
とにかく麺類にこだわる
先に触れた内容と重複しますが、浅井健一氏のユニットの一つ、Sherbetsの「ライトブルー」という楽曲において、このような歌詞がありました。
Ha… 僕は行くよ
みずみずしい気分なんだ(Baby Navy Baby)
ライトブルーというタイトルに違わず、青や海をモチーフとした繊細な歌詞が紡がれます。
指で砂に文字を書こう
なんて書こうかな
砂浜の波打ち際にいるような情景が浮かんできますが、ここで異変が起こります。
「I LOVE YOU」 なんてありきたりだ
一体何と書くのでしょう。
「中華そば」って書いたよ
いや、中華そばて。
ともかく麺類を出したくてしょうがない浅井健一氏。その感性は常人には計り知れぬものでした。
マイペース過ぎる
お次はYoutubeで関係者から語られていたエピソードです。
簡単にまとめると、野外フェスの出演者用の送迎バスをジャックしようとしたり、多数の乗客がいるにも関わらずトイレの為コンビニに途中停車させ、帰ってこないかと思ったら一人で立ち読みをしていたとのこと。
マイペースを通り越して傍若無人ともいえる破天荒な振る舞いですが、ロッカーらしい豪快なエピソードとも言えるでしょう。
プレゼントを「いらない」と突き返す
ソースは確認できないのですが、昔何かの音楽番組で司会者から浅井健一氏にプレゼントを渡されるシーンがありました。
メタルシャワーとか何か色々あったと思うのですが、説明を受ける度に微妙な表情を浮かべる浅井健一氏。
あくまでも好意からのプレゼントだったのですが、最終的には「うーん、いらない」と突き返すのでした。
番組としても体裁がよくないのか、何とか受け取ってもらおうとする司会者でしたが、
「いやでもほら、ゴミになるし」
挙句の果てにはせっかくのプレゼントをゴミ呼ばわりする始末。
さすがにこれはマズいと思ったのか「でもほらそういう番組でしょ」(環境問題と音楽がテーマみたいな番組でした)とすかさずフォローするも、司会者の顔が引きつっているように見えたのが印象的でした。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
デビュー当時は張り詰めた空気を漂わせた、近寄り難い雰囲気を纏っていましたが、最近ではいい意味で丸くなり、また自身のそうした側面を自覚し面白がっている風にインタビューで語っておられました。
個人的にも、こうしたエピソードを紹介する中で、浅井健一という人物の人柄がより魅力的に感じられるようになりました。
音楽活動もさることながら、今後はTVのバラエティなど、さらなる活躍の場が広がれば一ファンとして嬉しい限りです。
それでは、今回の記事はここまでとなります。
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最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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